☆★このページは副題の通りある方から頂いたメールです。
このメールに感動し、どうしても皆さんにこの話を
ご披露したいとお願いしたところこころよく掲載の
許可を頂いたのでご紹介します。

父が亡くなった頃は、イマイチ人付き合いが苦手で、家に 閉じこもってしまっていましたけど；（自分の気持ちを表現 するのが苦手で全て抱え込んでしまう子供でした）それでも 当時初めて父の許しを得て迎えた犬がいたので、その子 の存在が当時の私の支えでした。

柴系の雑種で、私もその子を今の実家の土地に引っ越し た当時に近所の方から譲り受けたんですけどね。（私は 犬を飼えると知ってシェパードがほしかったのですが、父 が保健所から捨て犬をもらってくると言うような人だった ので；たまたま近所の方の家で産まれていた雑種の子犬 を「もらい手のない子は保健所に連れていく。」と聞いて 父の許可を得てもらって来ました。）

最初は、当時まだ小学生だった私が知っていた数少ない 犬種の中でシェパードをほしがったものの、蛙の子は蛙 というか（笑；）気がついたら３匹いた雄の子犬の中で、 一番パッとしない普通の子をもらってしまいました。飼い主 さんでさえ、「こっちの方が可愛いでしょ？こっちにしたら？」 と言うのに「可愛い子は誰が見ても可愛いから、保健所に 行く前にもらい手が決まる可能性が高いから。」って。。。

でも、この子犬が利口な子で、母犬が柴犬の母犬から産まれた 柴系雑種で、父犬はその母犬の飼い主さんの隣家のちょっと コートの長いこれも雑種の子と完全な雑種犬だったのですが、 姿もサイズもほとんど柴犬。性格も一人の飼い主にベッタリ の日本犬気質。

父は、兄弟全員の犬だと言っていたけど、もらって来たのも 私。世話をしていたのも私という事もあって、犬自身も私に ベッタリでした。まあ、この子の場合は、今いるコーギー達 みたいにママにいつも甘えて遊んでもらいたいというより、 育てば育つほど、飼い主としての私を守るという意識が 強くて、友達というよりはガードマン的な性格の子だった のですが；

初めて犬を飼う子供の私のする事ですから、躾るために バンバン犬を叩いたり、ご飯は味噌汁を混ぜた残り物。 （これは親がこれで良いと言ったのと、当時私が持って いた子供向けのペットの飼い方の本にも、「犬にとって 人間の味付けは濃すぎるので、味噌汁などをかける 時はお湯を足して塩分を薄めると書いてあったので そのまま実行していました；）１年ほどして親がドック フードを買ってくれるようになりましたが、ビタワン。 （でも、ビタワンは猟犬を飼っておられる方とか、柴犬 のブリーダーさん＜日本犬保存教会の方の方＞とか 一部には評判が良いと１０年後ぐらい後になって知り ました；；）

毎日学校から帰ると、犬とオヤツは半分個。今では 考えられないような育て方をしていました＾＾；

それでも、その子自体が気の強いしっかりした気質 の子だったせいか、やたら叩いて躾ようがちゃんと 慕ってくれて、また利口な子でもあり、お手やお代わり 待て程度ならいつもその日のうちに覚えてしまうので 大変育て易い子でした。

私が１９歳の時に、９歳を目前にフィラリア症が元で 亡くなってしまいましたが、手術で心臓の成虫を駆虫 後、少し持ちなおしはしたものの、「気休め程度の延命 にしかなりませんよ。」と獣医さんに言われた通りに、 徐々に弱り、食事が食べられなくなり、その前の年に この子より後に迎えた犬も、こちらの子はフィラリア 以外にも元々の内臓の疾患があって亡くなりましたが、 同じように弱って食事が食べられなくなった挙句に姿 をくらましてしまったので、食事が食べられなくなった 時点でこの子ももうダメだねと死期を察して鎖を外して、 （外飼いだったので）晩は室内にいれる様にしていまし た。

食事を食べられなくなってからは、「少しでも美味しい物 を食べさせてあげたい。」と母が毎日牛肉を買って来て くれていたのですが、本当はもう食べられないのに、人間 に気を使って肉を口にして彼が食べて、それでも体が 受けつけなくて戻してしまう。。。

そんな状態が続き、そのうち肉も食べられなくなって水 しか飲めなくなった時は、「いつまで持つか。。。今日か 明日か。。」という感じで、やせ細った彼に付き添って 毎晩母と徹夜していたのだけど、一晩彼が生き長らえ ると必ず彼は、早朝外に出てトイレを済ませて、外の 草の上でくつろぐのですが、徹夜した私がその姿を 確認してから仮眠を取ると、しんどい筈なのにいつも 目覚めると、私の頭の横でキチッと伏せて私の事を 見守っていました。元気な頃のガードマンそのままに。。。

彼の最後の日は、朝から庭に出た彼の周りをそれまで 見たこともないような大きな銀バエが何匹も彼にタカって いて、母と「死臭が出ているんだね。もう最後なんだね。」 と話していたんです。

それでも、彼はどこにそんな力があるのか、目の前を 通り過ぎるハエに噛みかかって自力で追い払っていて、 それで、私は暑くなったのに日向にいた彼を日陰に移動 させるのに、抱かないで、（まだ動けると思って）日陰の 方から彼を呼びました。

彼は私の方へ来ようと立ちあがって、２，３歩歩いた所で グラッとそのまま横倒しになり、それが彼の最後でした。

私と母がかけよって抱き起こした時、痙攣はしていたけど すでに意識はなく、そのまま２，３度大きく息を吐いてその まま亡くなりました。

彼はタダの雑種です。今いる子達のように、親がチャンピ オン犬だとか、代々ショー血統の良血で優秀な血統書を 持っているという訳でもないし、どこにでもいる柴系の雑種 犬でした。

でも、自らが息を引き取るその瞬間まで、幼い飼い主で あった私に従順で、「飼い主を守る。」という意識を持ち 続けた意志の強さ。彼の生き方や気高さに、子供ゆえに 一時期世話が面倒と、散歩にもいかないご飯もまともに あげないという時期もあって、良い飼い主ではなかった 私はそれでも私を最後まで慕い続けてそばにいてくれた 彼に頭が下がる想いでした。

それから今までに何頭も犬を育てて来ましたが、今でも ファーストドックだった彼が一番利口な素晴らしい犬だった と思っています。今の子達とはタイプが完全に違います けど、彼がこういう犬だったから、私は犬に惚れ込んで 今も犬を飼っているという、今の下地は彼との出会いで 出来ました。

（原文のまま）